2019年7月3日(水)、2019年度 産学連携懇話会 「第1回 大学等連携会議(情報系)」を実施しました。
会議には大学等8校の関連学部より10名、仙台に拠点を置くIT系企業5社6名等、26名が出席しました。
本会議は、地域ICT業界の人材確保の取組として、「産」「学」からの各参加者が意見を交換するものです。
議論の内容は検討を重ね、今後の事業に反映して参ります。
レポート
- 日時
- 2019年7月3日(水) 17:00-18:30
- 会場
- 伊達なICT-WORK せんだい・みやぎ セミナールーム
(株式会社ナナイロ内) - 参加者 (敬称略)
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- 石巻専修大学 理工学部
- 岩手県立大学 ソフトウェア情報学部
- 仙台高等専門学校 広瀬キャンパス
- 東北学院大学 工学部
- 東北工業大学 工学部
- 東北福祉大学 総合マネジメント学部
- 東北文化学園大学 科学技術学部
- 宮城大学 事業構想学部
- 株式会社アイエスビー東北
- テクノ・マインド株式会社
- 株式会社トレック
- ハイテクシステム株式会社
- 株式会社フジビジネスセンター
- 宮城県新産業振興課 情報産業振興班
- 一般社団法人 宮城県情報サービス産業協会
- 「伊達なICT-WORK せんだい・みやぎ」事業運営事務局
次第
- ◆17:00〜17:05 開会にあたって
- MISA人財委員会 委員長 岡田 晃男
- ◆17:05〜17:25 2020年卒学説の就職活動の状況について
- 各教育機関/訓練機関、各企業より情報共有
- ◆17:25~17:40 意見交換「2018年度までの議論を踏まえた対応状況について」
- ・2018年度までの連携会議における議論とそれを踏まえた取組み状況
・直近の活動状況報告(伊達なICT-WORK運営事務局) - ◆17:40~18:15 大学の情報系教育と地域IT企業の業態を踏まえた今後の連携のあり方について 議論
- ・非情報系からのIT業界の就職が急増する中、情報系学生の専門的な学びと地域企業への定着を両立する産学連携のあり方について
- ◆18:40~18:30 各機関からの要望事項、参加企業からの本日の感想など
- ◆18:30 閉会
議事要旨
【1】就職/採用活動の状況
- 各 校
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- 全体に内定が早くなっており、各校ともにほぼ9割〜7割程度は内定が決まっている。
- 各企業
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- 全体としては目標数の半数程度の内定、秋へ向けて採用を継続。
【2】伊達なICT-WORKにおける活動状況について
- 受益者負担人材紹介(「伊達なICT-WORK」による就職サポート)
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- 求職学生一人あたり平均5社〜10社の採用希望が寄せられる。1対1で面接できるので特に合同企業説明会で他学生と比較されるのを苦手とする学生には良い仕組み。積極的に活用いただきたい。
- 業界研究講座
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- MISAの共通資料を用い業界のありのままを素直に伝えることに注力し好評。是非利用いただきたい。
- MISAインターンシップ
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- 今年度は単位型インターンシップとしての利用を想定した運用トライアル。6プログラム開催予定。
- 「どのプログラムを選んだら良いかわからない」という学生がいるので、ホームページや業界研究会での説明などで、「SEを目指すには」「PGを目指すには」という形でわかりやすい説明を入れる。
【3】大学の情報系教育のトレンド(AI)と地域IT業界の乖離について
- 地域IT企業の現状
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- 「データサイエンスをやりたい」と応募してくる学生には他の大手企業や首都圏企業を薦めている。
- AIをやりたいという学生と面接することがあるが、具体的に何をやりたいのか漠然としていることが多い。
- AI分野は幅広く、一つの分野にこだわると代替の利かない技術者になってしまう。採用段階では分野にこだわらず採用するのが望ましい。
- 大学教育と地域IT企業の現状の差分を踏まえた考察
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- AIは10年サイクルで浮上し頭打ちになっている分野で、5年後には下火になる可能性もある。学生の教育もAIが使える分野全般を考えるなど、AIの活用といった応用力の育成に向かう方が望ましいのではないか。
- 地域IT業界は受託型企業のため、実際の受注がないとAIに乗り出すことができない。一方でAI技術者がいないとAI関連のオファーがあっても受けられないという側面もある。
- 仮にPythonがバリバリできても現状の地域IT企業では仕事がないかもしれない。しかし学んだロジックや考え方を使い、JavaやPHPをロジカルに見る目があれば、業務を違う視点で見ることができる。
- データサイエンスについて
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- ディープラーニングを深めることで、進化する道具として業務系システムにも応用できる。そういう目があっていい。
- 2〜3年後は案件も出て、5年後に一定規模の技術者が必要になる動きは既にあると認識している。
- どこにでもデータが貯まってきている時代であり、学生がデータサイエンティストとして育成されるのであれば、受け側(採用する企業側)としては充分な受け皿がある。
- RPAやAIを使った提案活動ができる人材を抱えるには、どの程度の企業体力が必要か模索している。
【4】その他
- インターンシップの単位認定について
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- 単位認定のためには前年度に手続きが必要である点はMISAでも認識しており、今年度の運用を踏まえて、各大学へ来年度のインターンシップへの本事業採用をオファーする予定としている。