2023年6月14日(水)、2023年度 産学懇話会 第1回 「専門学校等 連携会議」を実施しました。
会議には専門学校等4校6名、仙台に拠点を置くIT企業5社5名、宮城県産業デジタル推進課等、22名が出席しました。
本会議は、「産」「学」からの各参加者が、地域ICT業界の人材確保の取組について意見を交わすものです。
論議の内容は検討を重ね、今後の事業に反映して参ります。
レポート
- 日時
- 2023年6月14日(水) 17:00-18:00
- 会場
- オンライン
- 参加者 (敬称略)
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専門学校等
宮城県立白石高等技術専門校、東京ITプログラミング&会計専門学校仙台校、東北電子専門学校、専門学校デジタルアーツ仙台
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オブザーバー
株式会社SRA東北、イーストライズ株式会社、株式会社データウェイ・システムズ、株式会社東日本技術研究所、仙台市 産業振興課
- 宮城県 経済商工観光部 産業デジタル推進課
- MISA 人財委員会
- 「伊達なICT-WORK せんだい・みやぎ」事業運営事務局
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専門学校等
議題
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- 各企業における専門学校生の採用の課題について(報告)
- 2024年卒学生の就職活動の状況、課題について(報告)
- 伊達なICT-WORKからの報告・お知らせ
- 就職/採用活動の課題や工夫に関する相互の情報交換
議事要旨
各企業における専門学校生採用の状況/課題/専門学校に聞いてみたいこと
- 状況/課題
- 全般に母集団の確保が難しくなってきている。
- 今年度11名の応募の中で3名が専門学校生であったが全員不採用。
- 大学生との間で採用基準に差を設けていないが、数的分野の素養などを問うSPI試験の成績が基準に届かなかった。やはり大学生と専門学校生の間で差があるように感じる。
- 専門学校の採用の動きを把握したい。他の企業を見てから探したいという学生が多いのではないか?
- 内定者は大学生が多いものの、他県の専門学校生の内定者もいる。
- 全般に母集団の形成には苦戦している。専門学校は学生に対する周知が行き届いているという話を本連携会議でも聞いているので、各校を通じた周知などに力を入れていきたい。
- 専門学校生は資格がメインであり、大学生との間で評価は変えるべきではないか。
- 専門学校に聞いてみたいこと
- 採用試験ではグループワークや一般常識を問う試験などを行っているが、こうした内容が採用にどれだけ響くのか、応募を敬遠されるのではないか。
- 各校からのコメント要旨
- 専門学校は2年間の中で資格をメインに学んでいるので、SPI対策などを教育のカリキュラムとして盛り込むのは難しい。
- グループワークなどの実施が応募の敬遠の原因になることはないと思われる。
- 状況/課題
- 応募者11名の中で3名が専門学校、その中で内定は5名、専門学校は内1名である。
- 採用において適性テストを行っており数学や論理思考などを問うものとなっているが、内容自体は大学/専門学校という枠に偏るものとはなっていない。但し基本情報の資格を有していれば適性テストは免除している。
- 仙台地域での就活の動きは特に大学を中心に遅く、5月から活発しているような状況である。現在仙台拠点での内定は2名でいずれも専門学校・短大である。
- 2024年卒は全国5拠点で120名の応募があり、内仙台地区での専門学校生の応募は24名、内定承諾1名という状況である。2023年卒は仙台地区で5名を採用し内4名が専門学校と高専である。内3名が本日ご参加いただいている各校からの採用となっている。
- 「尖った学生」を求めているため、必ずしもコミュニケーション力だけを重視しているわけではない。技術で尖っている学生は「技術で語っていただく」ことで構わない。
- 専門学校に聞いてみたいこと
- 専門学校卒で幹部社員になっている者が出てきている。これまで合同企業説明会では、できるだけ学生にとって身近な人物ということで若手社員での対応を行っていたが、こうした幹部社員での対応も考えている。幹部社員が学校に出向くのはどうなのか。
- 各校からのコメント要旨
- 専門学校は基本情報の取得をメインに活動しているので、適性テストの免除などがあれば非常にありがたい。
- 管理職による企業説明の対応に関して、やはりOBによる説明効果的である。自分の学校の出身者がどのようなポジションで活躍しているか知りたいと思っている。学生にとっては身近なところでキャリアパスが具体的にイメージできる。
- 状況/課題
- 当社の採用は面接のみであり、学校で学んできた内容を聞くなどカジュアルな感じで行っている。コミュニケーション能力は入社後に後で自然に身についてくるものと考えており、入社時点では不問としている。親や兄弟など家族と話せるのであれば基礎的なコミュニケーションはできているといえるのではないか。業務に必要なコミュニケーションは入社してから鍛えれば良い。
- 近年はインターンシップから採用へつながることが多い。
- 現在内定者は出ていないが、昨年度は4名採用し内2名が専門学校である。
- 専門学校に聞いてみたいこと
- 専門学校生が興味ある資格や各校での情報処理技術者試験の合格率などについて。
- 当社の特色として入社してからも研修や業務がリモートワーク主体となっている。学生に対してリモートワークがどのくらい刺さるのか、逆に不安になるのかなどリモートワークのイメージついて。
- コロナ禍を経て採用がオンライン主体になり採用が大学生に切り替わってきている。専門学校生の最新の採用動向について。
- 各校からのコメント要旨
- 各校共にコミュニケーション能力の必要性ついては認識しており、可能な中で育成には取り組んでいるが、もともと2年間しかなく、実質は高校卒業にプラス1年という状況なので、大学生に比べて人間力などの基礎素養を育む時間が少ないことを認識して欲しい。“高校生に毛が生えた程度”と認識いただくのが適切であると思われる。
- 資格については各校共に基本的には基本情報がメインになる。デジタルアーツでは各方面で行われている“プログラミングコンテスト”に興味を持つ学生も多いが、(就職活動の終わった)2年後期になってしまう。
- リモートワークについては、むしろ不安になる学生の方が多いように思われる。企業説明会においてもやはり対面の方が学生に雰囲気を伝えられるので効果的である。
各校からのコメント(検討のポイント)
- 1学年16名で10名が内定をもらっている。生徒たちは就活において合同企業説明会への参加を重視している。
- 企業様による学内での個別企業説明会開催の敷居は決して高くないので、企業様には遠慮なく学校に来ていただきたい。
- SPI面接対策などのキャリア系の授業は行っているが、2年課程と3年、4年課程ではやはりレベルが違う。グループワーキングも2年課程の場合は戸惑うかもしれない。
- 首都圏就職と地元就職の比率は8対2である。首都圏就職比率が非常に高い理由として、首都圏企業は積極的に学校に来ていただき直接学生に対して丁寧に会社の雰囲気を伝えているためである。
- 専門学校はもともと人数が少ないので、母集団としてあてにしないでほしい。ピンポイントで狙いを定め、訪問しての会社説明などを積極的かつ戦略的にやってもらいたい。
以上