MISAでは今年度(公財)仙台市産業振興事業団の補助事業の採択を受け、人材確保及び育成の新たな仕組みづくりに取り組んでおります。その中では、近年急増している客先常駐型(派遣)IT人材及び、文系(非情報系)学生を主なターゲットとした「サーティフィケート(証明書)」の開発及び発行体系の構築を行っております。
【専用サイト】 「MISAサーティフィケイト」制度 (http://certificate.ict.miyagi.jp/)
1.背景
仙台では自社製品の開発に取り組む企業がある一方、受託開発や技術者派遣に関するニーズも多く、この分野に従事する技術者も多数おります。このような技術者はITSSにおけるアプリケーションスペシャリスト(以降APS)に分類され、その育成に関しては各社取り組んでいますが、システム開発のスキルやビジネススキルに関しては共通化できる点も多いものになっています。
ITSSではレベル1は「指導の下でできる」、レベル2は「一定程度であれば独力でできる」と、評価は個人としての成果だけで、組織のメンバーとしての成果は規定されていません。また、ITSSv3においてはレベル1~2は職種で共通化され、APS・セールス・カスタマイズ等のレベル1~2は同じ基準で評価されることになっています。また、APSのレベル4はリーダクラスと規定され、リーダー以外のAPSはレベル3でしか評価されない仕組みになっています。
MISAサーティフィケートでは「目標設定と評価を通じて、教育等で得た知識をどの様にして実務に活かすかを学習すること」、「リーダーやサブリーダーにはなっていないが開発現場では戦力となっているAPSの能力を評価すること」を目的に、標準的な能力評価基準書と目標設定・評価の仕組みの提供を図ります。
2.認定制度について
システム開発やビジネススキルに関する基礎的なスキルを保有する技術者を対象に、その知識や経験を可視化し、MISAとして認定します。
2.1.対象者
当業界に従事するようになってから2~5年程度で、ITSSにおけるAPSのレベル1~2(エントリレベル~ミドルレベル前半)に分類される技術者を評価対象とします。
2.2.評価の考え方
現在、技術者が保有するシステム開発やビジネススキルに関する知識の保有度は、教育受講の有無や関連するプロジェクトへの参加経験の有無で評価されています。
本制度では、既存の評価方法に加えて、知識習得後(教育受講や自主学習、プロジェクト経験等)にどのような知識を保有しているだけでなく、それをどのように活用したかという経験・取り組み姿勢を評価することを目指しています。このため、知識習得後に実務でそれをどう活かすかという目標を設定し、評価するための研修の提供を視野に入れています。
目標設定と評価のポイント(想定)
- 特定の言語を習得していることだけを認定要件とせず、「基本的な技術を習得していること」「システム開発において汎用的に求められる知識(品質や文書化など)をどのように実践しているか」「プロジェクトメンバーとして求められるコミュニケーションや論理的な問題解決などのビジネススキル等の活用」などに主眼を置く。
- 「xxプロジェクトに参加した」という実績だけではなく、「xxプロジェクトの中でxxを考慮して開発を行い、xxのような結果になった」というような主体的に取り組んだ事項を評価する。
- 勤続年数やプロジェクト内のポジションを評価するのではなく、各自が置かれたポジションにおける取り組みを評価する。
- 知識習得の履歴として教育受講や資格取得の目標と、その履歴や実績を評価する。教育受講はMISA主催のコースだけでなく、各社独自の教育、eラーニングの受講であっても全て受講履歴として扱う。
3.職業能力評価基準書について
各社の評価制度と大きく乖離しないように、ITSSのAPSレベル3以降に要求されている項目をベースにレベル1~2の技術者向けに求められる要素(知識とその実践)を加えたものとして策定。
ITSSの中に「取得するスキル」として規定されている事項は細目に渡る点が多いです。ある程度汎用的に活用できるような要求事項にし、受託開発や労働者派遣の現場でも必要とされる知識を追加した内容とすることが課題です。
4.証書(サンプル)
4-1.社会人向け|IT人材スキル証明書
4-2.学生向け|習得証明書(中長期型インターンシップ)
<表>
<裏>
4-3.学生向け|参加証明書(1日/半日型インターンシップ)
<裏>